If it asked whether I liked her, maybe my answer is yes.

As a young student?
Or as a girl?

The answer is very simple.







I am in love with her.







あれから3日過ぎた

部活の休憩中に最後のミルキーをやった日から3日
あの日から、俺はという後輩と会っていない

「軽く、流してやればよかった」

そう思わずにはいられないんだ
俺が変に深く考えたから、余計な気を使わせたのかもしれない

俺が避けているのか、避けられているのか…よくわからないけど
ずっと気になってる、多分それだけは確かだ

「…藤真、」
「…花形か」

大分ぼーっとしていたらしく、すぐ目の前に花形の顔が現われるまで呼びかけにすら気づかなかった

「最近、調子が悪そうだな」
「そうでもねーよ」

花形の言葉を、否定する
別に調子は悪くない…ただ、気分が浮かないだけ

素っ気無い俺の返答に気を悪くすることも無く、「そうか」とだけ返される
そして少しだけ間をおいて、言いにくそうに続けた

「最近、…例の1年生とどうなんだ?」

お前は、もっと遠まわしな言い方が出来ないのか
結構露骨だぞ、それ

「…別に、何も」

たった二言、それに意味は無い
本当のことだから

花形は気まずそうな顔をして、「そうか…」と呟いた


おかしいことじゃない

そもそも1年と3年だなんて、接点が無さ過ぎる
ましてや部活が同じなわけでもない
偶然が、偶然起こって互いを知っただけのこと

それだけのはずなのに…

このやりきれない気持ちは、何なんだ?


「なぁ、花形」
「ん?」

俺は座ったまま、相手である花形ではなく窓の外を眺めながら話しかけた
今日はまあまあな天気だな

「俺なんでお菓子あげに行ってたんだろ」
「…」
「自分でも、わかんねー」
「…」


わからない


たかが偶然知り合った1年に、どうしてあんなことをしていたのか
考えても考えても、自分が何を思ってのことか見当もつかない

俺、最近ずっとこのことばっか考えてるな…

「藤真、それって…」
「ん?」

視線を窓の向こうから花形に戻す
すると目が合った途端、花形は片手で口元を覆った

「何だよ」
「いや…」

躊躇う
もともと遠慮がちなコイツはいつもこうだ。バスケ以外には。
でも、そういう態度を俺が好まないを知っているから

「これは、俺の勝手な予想なんだが…」

必ず言葉にして表す

「その子のことが、好きなんじゃないのか?」

「は?」

素っ頓狂な俺の返事に、花形は非常に困ったような様子で
だけどそんなことよりも、その言葉の方が気になって

「詮索するつもりもないし、催促するつもりもないけど…
お前の最近の様子を見てると…どうもそうとしか思えなくて…な」

頭の良いコイツが、必死に言葉を捜している

「俺が?アイツを?」

好きだって言うのか?と返すと、眉を下げた花形に「断言はしないが、少なくとも気になってるんじゃないのか?」と言われた


俺が、あの一年を?


気になってる…?


好き…???


「……1年だぞ?」

咄嗟に出た言葉が、これだった
花形は苦笑を浮かべて「大した差じゃないと思うが」という

気になって、いるのは確かだ
でもそれは、急に仲が不安定になった友人のような感じで
決して恋愛感情は無い…と、思う

そもそも、1年だしガキだしそこまで関わってないし…

俺が、そんな奴を 好き だと?


「眉間に、しわが寄ってるぞ」
「…お前が余計なこと言うからだろ」

軽く睨みをきかすが、返ってくるのは「困ったな」という苦笑だけ
腹が立つ、腹が立つのに
「そんなはずない」と返せないのは、何故だ

「……」
「別に、勝手に俺がそう感じただけだから…」

そう怖い顔するなよ、と言われる
何か一言でも言ってやろうと思ったが本鈴が鳴り、花形は「じゃあな」と言って席に戻っていった

その後の授業は、全く集中出来なかった


そのまま、スッキリしないどころか不機嫌なまま放課後を迎える
HRが終わって、すぐに部室に向かった
腹が立っていたので花形は置いていくことにした(どうせ日直みたいだしな)

部室行くと、早すぎたのかまだ誰も来ていなかった

「…普通後輩が先に来るもんじゃないのか?」

そんな呟きも、意味は成さない


制服からTシャツ・ハーフパンツに着替え、体育館に向かった
とにかく、少しでも早くボールを触りたい
それでこの曖昧な感情を少しでも忘れることが出来るなら、と早歩きになる

けれど、思いがけぬ出来事に俺の足は止まった


体育館の前にいるひとりの生徒の姿を見て、俺は止まった


何で、ここに居るんだ


紛れも無い、あの1年だ
という…後輩だった

驚きと動揺を隠せない俺はそこに立ち尽くす
すると、その生徒が俺の存在に気づき駆け足で近づいてきた

頼むから、花形。日誌を出しに行くのはゆっくり行ってくれ。
他の部員も、まだ来なくていい

目の前、というには微妙な距離を置いて立ち止まる

「こ、んにちは」
「…おぅ」

「…」
「…」

会話が上手く展開しない
それもそのはず、3日間という時間が空いて、気まずいもの
俺も、きっと…コイツも

何か言わなければ、と必死に考えていると
ずっと地面に視線を泳がせていた顔を、パッとあげた
そして

「あの!…この前はすみませんでしたッ」

勢いよく、頭を下げる後輩
呆気にとられた俺は、目を見開く

「私、なんか余計なこと言っちゃって…その、悪い意味じゃなかったんです…。
迷惑だとかそういうんじゃなくて、ただ…不思議に思って…」

申し訳なさしそうに謝る姿を見て、やっと理解した

自分の言葉で、俺が気を悪くしたんだと思っているんだとわかった
だから、こんな必死で 部活があるだろうに、制服のままで…

そう理解すると、急に顔が緩み、思わず笑ってしまった

「そんな、謝んなって」
「え…」

でも…と、まだ何か気にしたような表情をする
その様子が、何だか必死で…急に吹っ切れたような感じがした

「別に気にしてねーよ」
「…ホント、ですか」
「あぁ。俺の方こそ、何だか悪かったな」

些細なことで、後輩をこんなに追い詰めた俺だって十分…
苦笑して、謝罪を零す
すると、ほっとしたらしくやっと「よかった」と笑った

「あの、今日5・6限の家庭科が調理実習だったんです!それで …」

そういって持っていた紙袋を腕に抱え、がさがさと何かを取り出した
透明の袋に入った、赤いリボンでラッピングされたもの

「私の班、マフィン作ったんです。あの…よかったら、どうぞ」

腕を伸ばしてすっとそれを差し出してくる
中には黄色と茶色のマフィンが1個ずつ入っていた

「何の味がいいのか分らなくって、とりあえず無難なプレーンとチョコなんですけど」
「…俺に?」

くれるのか?と尋ねると、柔らかくはにかむ
そして…

「お詫びと、今までたっくさんミルキー貰ったお返しです」

と、にっこりと笑った



ドクン



そう、確かに心臓が弾んだ


「先輩には、お世話になってるし」と、にこにこと笑う目の前の後輩は
とても良い笑顔で…

その笑顔に俺は



可愛い、と思った



輝いて見えたんだ



「あ、先輩部活始まりますよね、私も着替えなきゃ。それじゃ、失礼します!」
「あ、あぁ…」

手に持ったマフィン
手を振りながら去っていく後輩
奇妙な胸の高鳴り

「…ッ!」


気が付けば、呼び止めていた


「コレ、ありがとな」

たった一言
出てきたのは貰ったマフィンのお礼、それだけの言葉だった
けれど

彼女が、スゴク嬉しそうな顔をするから
その笑顔が脳裏に焼きついた



『その子のことが、好きなんじゃないのか?』



花形の言葉を思い出す

心臓が五月蝿い

口元を手で押さえると、顔が熱いことに気づく



「…1年だぞ…?」



関係ない、すぐにそう思うことが出来た


やっと、分った


俺は、彼女に恋をしたんだ