泣いたカオやなくて、

笑ったカオ見せんかい






Tears and love






「みぃなぁみぃぃぃ〜」

なんや、鬱陶しいヤツが帰て来たわ

昼休み
オレは教室で飯食って寝とった

岸本?
アイツならマッハで飯食って女に会いに行ったで
ユージョーよりオンナかい
えーけどな、別に


午後の温い空気が気持ち良くて、オレは机に伏せて寝とった
コイツが帰ってくるまではな…

「聞いてやぁー!ホンットムカつくわあんのオトコッ!!ああああ腹立つッ!」

キィィィッと猿みたいな声出して興奮(まぁ怒っとるんやろけど)しとるんは、
クラスメートで、隣の席で、まぁ…岸本の次に仲エエっちゅーか、つるんどる

もっとマシしとったらかわエエようなそうでないような
少なくとも女らしい中身やないな

「聞いて!ホンマに聞いて!!あんなぁ!」

人が気持ち良く寝とることなんかお構いなしっちゅーわけかい
大騒ぎしながら自分の席、オレの隣に座る

「何や告白されたんやろ?よかったやん」

人生で最初で最後の経験かもしれんへんでー?言うたら、思い切り睨まれたわ
…オニか、自分

「あんな告白数に入らんわ!もーホンマ、ね、真面目に聞いてや」

そう言うて一度深呼吸すると、少し落ち着いたらしく話始めた

「『話あるんやけど』言うから、わざわざ行ったんやで?ご飯も早弁してな?」

そらお前の勝手やろ、早弁は。
とも言えず

「そんで行ったらなぁ、『ずーと前からさんのことかわええなーて気になってん』って言い出してなぁ…」

…まさかお前、そんままノロケるんやないやろな…?
聞きたないで。ンな話

「…南ぃ、聞いてはんの?!」

話を中断し、はキッとオレを睨む

「おー聞いとるで。で、何やて?『お付き合いしてください』?」
「…『でも、今付き合うてる彼女がいてな。ソイツが別れてくれんのや。だから…』」


『アイツにはバレんよーに、さんと付き合いたいねんけど』

ええやろ?

そう言うたらしいで、告白の相手は。


「何やねん!ホンマ人のことバカにしとるわッ!!」

デカイ声では言う
…教室が、昼休みでよかったわ。ざわついとるから皆あんま気ぃつかへん

「…エライ男に好かれたもんやな」

その男もアホやな
余計なこと言わんと、さっさと付き合うたら良かったやんけ

そないなことコイツには言えんけどな…
そう思て何や急に静かになったを見ると

「…ぅ…ッ…」
「!?な、何泣いとんのや自分!」


目からぼたぼた水流しとった


「ホン、マ…ッ悔し…」

両手の甲で涙を拭うが、勢い付いたそれは止まらない
肩を震わして泣くコイツと、どないしたらええかわからんオレ

オレが泣かしたみたいやないか…

「な、泣くな
「ぅ…ッ南には…ッ、ウチの辛さが…ゎからんねんッ!」

こんな屈辱、初めてや
そう言うて、一気に波が押し寄せてきたように泣きじゃくる


オレにはわからんて?
アホ、オレかて辛いわ

お前がそやって泣くんが、それを見てることしか出来へんのが

辛いわ

「…、」
「ぅ…ッ、なに…ぃ」
「涙はええけど、鼻水はあかんで」
「で、出てないし!」

酷いわ!と睨むコイツの顔は
“酷いんはお前のカオや”言うてやりたなるくらいやったけど


そんなことパッと消えてしまうくらい、苦しかった
なんで、オレが苦しいんやろか
なんで、早よ泣き止んで欲しくなるんやろか

なんで

こんなに愛しいんやろか


、」
「ッ…もぉ何や…ウチは鼻水出してへんでッ…」

さっきより落ちついたんか、少しだけ涙が減って静かになった

「もー泣くな」
「…」

目をバタバタと瞬きして、泣き止もうと必死に手で涙を拭う
オレは無意識に、いや意識的にか
手を伸ばしコイツの顔に触れた
一瞬ビクッ強張ったけど、そん後は意外と大人しかった

「み、なみ…」
「ンな下らん男なんてもーエエやろ」
「…」

涙はほとんど止まったが、目が赤い
何や反応に困っとるんか、目が泳いどるで

「他の男んことで泣いとるお前なんか、見たないわ」
「……」

意味わかるやろ?

そう言うたら、途端にコイツの耳が赤くなった
頬も目と変わらんくらい赤なって

、」
「…な、何」
「笑ぃや」
「…む、ムリ!」

可笑しくも無いんに笑えへんわ、とか言うて困っとる

「お前は笑ってる方がカワイーで」

お、照れたで
顔熱いわコイツ

何や急におもろなって、オレが笑ぉてしもた

昼休みでよかったわ
皆気づかんし、岸本おらんしな


「好きやで、


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