最近、気になる子が出来た






The moment when light love grows






同じクラスで席は隣
ぶっちゃけ、まともに話したのは席が隣になってからで
それまでは全く気にもしていなかった

なのに

「越野って世焼きさんだねぇ」

偽りの無い笑顔に、明るい声


あっという間に、オレは彼女のハートを射止められた
気が付いたら彼女ばかり気になってて
まぁスキなんだと自覚したのはついこの前なんだけど


「告白しないの?」


…簡単に言うな。お前と一緒にスンナ。


オレがをスキって事を知ってるのは、この仙道だけ(多分)
コイツに「越野ってと話してるときすっごい嬉しそうだよねー」と言われて俺も自覚したんだけど
コイツが鋭いのか、オレが鈍いのか…は、まぁ置いておこう

仙道にバレてからというもの、ヤツはことごとくの話ばかり持ちかけてくる


「今フリーだって」
わざわざ本人に聞いたらしい…

「好きなタイプはとくに無いって」
お前から聞くと何だか無性に腹が立つ

「越野とってイイ感じだと思うよー」

………

「告ればいいのにー。早い方がいいよ?」

ウルセーよ

(イイ奴だとは思うけど、ムカつく奴だとも思った)



毎日、授業中はと他愛ない会話して
休み時間になると仙道がやってきてお節介焼いて
それでも、オレは結構そんな毎日がスキなんだ


4限が終わって、昼休み
相変わらず仙道はオレのところにやってくる

「越野ー、ジャンケンで負けた方が購買行こうよ」
「ヤ・ダ」
「えーいいじゃん…ホラ、出ッさなきゃ負ッけだよ最初はグー、ジャンケン…」
「オイッ…!」

咄嗟にパー…

仙道は…チョキ…

またかよ…!

「越野って、慌ててジャンケンすると必ずパーだよね」

と笑顔で言う仙道が、かなりムカついた(クソッ)

けど負けは負け

「ったく…わぁーったよ」

仕方なく、オレは腰を上げた
結局オレは、最初から行くことになってるんだ

いつもこんなんだから、もう怒鳴る気にもならなくて
仙道から金を受け取って席を離れた


「あ、越野」
「あ…?」

教室を出た途端、から声をかけられて不機嫌だったオレは一気に好機嫌になった

は少し慌てた様子でオレに近づく

「越野、購買行くよね?」
「あぁ」

行くよね、って言い方はオレがジャンケンで負けるのを知ってるってことだよな…
(かっこ悪ぃ…)
多少のショックは受けたけど、と少しでも話せるのは嬉しい

「あのさ、私の分のパン…買ってきてくれない?」

実は今顧問の先生に呼び出されちゃって、と苦笑を浮かべる
顔の前で手を合わせるは、何だか面白くて可愛かった

「あぁ、いいよ。何がいい?」
「ホント?!ありがとー!あ、お金…」
「あぁ後でいいからさ!早く行かないと仙道が…」

“後でいい”というのは、後でまたと話すきっかけを作るため(隣の席なんだけどな)
口実に使った仙道をチラリとよく目で見ると、どうやらずっとオレとの様子を見てたらしく
笑顔で「早くねー」とか言って手を振ってきた

「…じゃあ、後で絶対払うから!ゴメンね」
「いいって。で、何買えばいい?」

オレの買うパンは惣菜系が多いし、仙道もサンドウィッチとか
は、何となくジャムパンとかクリームパンとかメロンパンとか好きそうだなぁ、なんて考えていたら

「えーとね、コロッケパンと焼きそばパン!」

にっこり笑って、そう答えた


「おぅ、じゃ行ってくるわ」
「うん、ヨロシクお願いしまーす」

オレは右方向へ、は左に歩き出す


階段を下りている途中、オレは足を止めた


右手で顔を抑える
どうしようもなく、頬が緩むんだ




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