今日もあの子は窓の外を見つめとる
CAT
-He loves her very much.-
「はん、」
俺が声をかけると、彼女はゆっくりと顔をあげる
そしてふっと目元を緩めて
「土屋くん」
綺麗な声で俺を読んでくれるんや
「今日も素敵な眼差しで何見つめとるん?」
軽い言葉を言うても普通に受け入れてくれる彼女
俺は彼女の前の席に静かに腰をおろす
「いい天気だから、寝たら最高かなぁって思って」
外を見ていたの、と呟く
柔らかい眼差しで、いつも外を見つめとる女の子
俺には不思議なコやなぁて思う
せやけど何となく不思議な彼女が好きで俺は頬を緩めて「そーかぁ」て言うた
風に髪を揺らして外を見る彼女は綺麗で可愛らしい
何ヶ月前やろな、関東からはんがこっちに来てこの大栄に転入してきたんは
標準語を話す奴はもの珍しいからな、皆興味深深やってん
女子も男子もとにかく話しかけててな、彼女困ってんねん
そのうち関東からの転入生にも慣れて、大分落ち着いたな
人見知りするんか知らんけど、何やあんまり皆でわいわいやんの好きやないんかなーって思ったらしくてな
自然と彼女の周りが静かになったんや
初めは女子と仲悪いんかな、て心配に思たけどな
よー見てみると、数人で何かやるっちゅーときは普通に笑って話しててな
そんで彼女が静かに過ごすことも出来るし
なかなかこのクラスええなーて思たで
俺がまともに話しかけたんは1ヶ月くらい前やろか
いつも外見てて、一体何処見てんやろなーって気になっててな
勇気出して声かけてみたんや
「いつも外見とるんやな」
そんで初めてしっかり顔見てな、優しそうな子やなぁてのが第一印象やった
「天気がいいから」
っていう声もまた綺麗でな、不思議な子やけど何や面白いなぁ思て
それからちょこちょこ声かけるよーなったわ
休み時間になるとな必ずはんの方見んねん
そんでええかなーってタイミングで声かけるんや
授業の合間とか、昼休みとか、部活行く前とかな
俺みたいな奴はあんま好きやないかなーってちょお不安に思てたんやけど
彼女はすんなり受け入れてくれんや
まぁ最初はちょっとぎこちないとこあったけどな、彼女も俺も
せやけど今は普通にいろんな会話が出来とる
「はん見てたら、何や俺も眠たなってきたわ」
優しい表情のはん見てっとな、なんちゅーか落ち着くねん
表情だけやなくて、声とか、何や全部がこうふわっとしててな
「バスケ、どう?練習とか、大変?」
「まぁ大変っちゃ大変やけど、楽しいで」
バスケ好きやしって言うたら彼女はやんわり微笑む
なんだかそれが嬉しくて、「はんとこーやって話すんのも楽しいわ」て言うたら
「ありがとう」ってまた笑ぉてくれた
ホンマに綺麗に笑う子やなぁ
「ホンマやで。こーやって話しすんの好きや」
軽いこと言うてもきちんと受け止めて返してくれる
簡単そうで、意外と難しいんやで?
だから安心して、ホンマのこと言えんねん
「私も、土屋君の声聞いてると安心するな」
ふっと笑いながらはんが言うた
俺はさらに何や温かいモンを感じた
「ホンマに?」
「うん、何かすごく優しい声だよね」
と囁いてゆっくり目を閉じる彼女
ああ綺麗やな、可愛えな、そう思う以上に
愛おしく感じるんや
きっと俺はこの子が好きなんやろなぁて素直に思た
もっと一緒に居たいわ
せやけど俺たちはまだそういう雰囲気やなくて、それにたどり着くまで相当時間がかかりそうや
せやから今はこのままでもええ
「おおきに」
そーやって笑ぉてくれるんなら、まだこのままでええわ
もう少しだけ、この曖昧な距離で一緒に居よか
GIRL's side
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