「それじゃあ、また夏休み明けにね」
「手紙を書くのを忘れないで」
「宿題があることもね」
Unfinished Heart
キングズ・クロス駅構内
ざわざわと人が多いのは相変わらず
そして9と3/4番線を出てしまえば、そこは非魔法族中心の世界
「んー、久々のコッチの空気ー」
は思いっきり息を吸い込む
そして久々に見た魔法の無い世界をどことなく新鮮に感じていた
魔女であることを知ってまだ1年しか経たないのに…
そう思うと何だか可笑しいな、と小さく笑う
リリー達と別れを告げ、駅の外に出た
道路を、車が走っている光景もホグワーツでは見ないものだから不思議な気分に浸る
「迎え、…着てないなぁ」
久々の家族との再会、
事前にふくろう便で手紙を出し、時間は伝えてあった
母親はすぐに返事をくれて
“迎えに行くわ!駅の外で待ってて頂戴”
と記していたのだが
「……来ないね」
15分、20分待ってもそれらしき車体あるいは人物は、全く現れない
荷物ケースを持ったまま歩くのに疲れ、駅構内への出入り口付近の壁に寄りかかって居た
しかしその後も一向に現れる気配は無い
はため息をついた
そして、あと10分経っても来なかったら電話してみようと思い一応そこに留まることにした
晴ている、といっても薄暗い灰色の空を見上げる
ふと、ホグワーツの大広間の天井を思い出し、帰ってきたばかりなのに学校が恋しく感じた
「アンタもホグワーツ?」
「…え?」
不意に声をかけられ、は空を見ていた視線を下げ、声のした方を向く
そこには同じように壁に寄りかかった一人の少年が経っていた
2,3年上だろうか、という彼は腕を組み彼女の足元にある荷物ケースを見ていた
「貴方も…ホグワーツですか?」
「あぁ、アンタ確かグリフィンドールだろ」
飄々とした態度で寮を当てられ、は驚いて彼の顔を見た
少年はにやりと笑い、グリフィンドールの悪戯っ子共と一緒にいるよな、と言い放つ
悪戯っ子…
ジェームズたちのことかな?
確かに問題児になりつつある友人と行動をともにしていれば
自分が意識しなくとも目立っているのかも知れない、
だとするとすごく恥ずかしものだとは思った
「名前は?」
「私、ですか?」
「あぁ」
少年は彼女の方を見ずに名前を尋ねた
は顔は知られていても名前までは知られていないと内心安堵し
少々戸惑いがちに相手に応える
「、・です」
途端相手がぱっと彼女の方に視線を向け、驚いたような表情を見せる
「…?」
「…そうです、けど」
相手はふーん、と言いながらじーっとを眺める
そして再び正面を向いた
そのとき微かに「でかくなったな」と言ったのは、の耳には届かなかった
一体この人は何なのだろうか
先輩、だよね…?年上みたいだし
どこの寮かな?
っていうか、名前聞いてないよね…
「あの、」
貴方は?そう言い終わる前に少年の言葉に遮られてしまう
「ホラ、迎えが来たから行くぞ」
「…え?」
ゴト、と彼は自分とそしての分の荷物ケースを持ち、すたすたと歩きだす
驚いたは目を丸くするばかり
「わ、私の荷物…!」
「ぐずぐずすんな、来い」
「ちょ、来いって」
一体どうなっているのか、理解できないだが
とりあえず小走りになって追いかける
どういうことなの…!?
そして2人が向かったのは1台の赤い車
少年はトランクに荷物ケース2つを積み込み、おろおろとしているを見て呆れたような声色で声をかける
「ぼけっとしてないで乗れよ」
「えぇ!?何で…」
何で知らない人の車に乗るのよ!
そう叫ぼうとした瞬間、後席のドアが開き、
現れたのはなんと…
「ああ、!お帰りなさいッ会いたかったわ!!」
「!お母さん!?」
何故か自分の母親だった
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