ホグワーツに到着し、
汽車から降りたは城を見上げ
心の中で「ただいま」と呟いた
Unfinished Heart
「!」
城に入る直前、聞き慣れた声に呼ばれは嬉しそうに声のした方を向いた
赤毛の少女が嬉しそうな顔をしてに駆け寄ってくる
「リリー!」
「ああ、久しぶりね!会いたかったわ!」
「私も!手紙ありがとう」
2人が抱き合い笑顔で話をしているとリリーの後ろからシリウスたちがやって来た
ジェームズもピーターも一緒だ
「久しぶりだね、」
「ジェームズ、ピーターも久しぶり」
幸せそうに微笑んでアイサツをすると2人も嬉しそうに笑った
「私とジェームズとピーターは同じコンパメートだったのよ」
貴方たちは前の方の車両だったみたいで、見つからなかったわとリリーが残念そうに言うので
は苦笑を浮かべて「私も」と笑った
やリリーたちをはじめ、ホグワーツ生はすでに制服、ローブに身を包んでいた
辺りは薄暗いが友人との再会を喜びながら、彼等は城へと向かった
大広間にはすでに先生方が席についていた
生徒たちもにぎやかな雰囲気の中次々と自分の寮のテーブルにつく
そしてほとんどの生徒が席につくと、先生がグラスをスプーンで軽く叩く
魔法で拡張させたその音が、マクゴナガル生徒たちのおしゃべりを止め辺りを静かにさせた
「では、1年生を迎えましょう」
凛とした声で先生がそう言い、大広間のドアの外に出た
ドアの外で待つ1年生を迎えに行く
「自分の組み分けでもないのに、何だかドキドキするわ」
リリーがの耳元で囁く
ふふ、と笑って「そうね」と返し2人は微笑みあう
大広間にいる全員が後方の大きな扉に注目した
ギイィィと重い扉が開き、マクゴナガル先生を筆頭に新入生が入場してきた
不安と緊張のせいか、その表情のほとんどは固く険しいもので、数人血の気が引いていた
「緊張するよね」
僕も頭が真っ白になったな、とピーターが呟いた
は自分もそうだったかもしれない、と思う
「そうかい?僕は期待に満ち溢れていたけどね」
わくわくして胸がはち切れそうだったよ、とジェームズが言う
そういえば、
組み分けのとき、緊張していたはは小さな声でジェームズにそれを伝えた
すると彼は「緊張することないよ、寧ろ自分の晴れ舞台なんだから堂々としてた方がいい」と言ってにこにこ笑っていたなぁ、と思い出す
懐かしいな、と思いながら前方で組み分けを始めようとしている後輩たちを見つめる
名前を呼ばれた生徒が次々とイスに座り古びた帽子を被った
そしてその生徒に合った寮を告げられる
上級生たちは1年生が自分の寮と決まると盛大な拍手で歓迎をする
やジェームズたちも、帽子の「グリフィンドール!」という声に反応して立ち上がり大きく拍手をした
最後の少女がイスに座り、レイブンクローに決まって組み分けは終了した
組み分けのあとはいつも通り、“自分の好きなメロディー”で校歌を歌う
毎年組み分け帽子が1年かけて歌詞を考えるという事実をリリーから聞いたは
ばらばらな曲調に上手くのることが出来ず、この上ない歌いにくさを感じた
校歌を歌い終わるとダンブルドア校長が柔らかな笑みを浮かべてゆっくりと立ち上がった
そして魔法で大きくなった穏やかな声が大広間に響き渡る
「新入生の諸君、ホグワーツへようこそ。良き師、良き友のもと勉学に励むが良い。
あまり長くなると、皆の腹がもたぬ。たっぷりと食べるが良い。」
そういって校長が手を叩くと、各寮のテーブルの上に豪華な料理が現れる
生徒たちは空腹を思い出し、一斉に皿を持ち料理に手を伸ばした
料理を食べながら、同時におしゃべりも始まる
ジェームズはフライドチキンを手に持ちながら真剣な眼差しで語っていた
「グリフィンドールのクイディッチ選手の何人かが卒業したから、新しい選手が決まるね」
口の中のチキンをごくんと飲み込み、ジェームズはため息混じりに呟いた
「僕が選ばれたら絶対優勝してみせるのに」
「君は僕らの中でもとくに飛行訓練の成績がよかったしね」
リーマスがカボチャパイをフォークに刺して、そう言う
ジェームズは「天性の才能さ」とにっこり微笑んだ
リリーはそんな彼に苦笑して肩をすくめたが、は実際ジェームズが一番上手だなと心の中で思った
「…おい、リーマス」
「ん?何だい、シリウス」
ジェームズの方を向いていたリーマスが今度はシリウスの方を見た
シリウスは怪訝な顔つきでリーマスを見る
「お前…さっきから甘いモンしか食ってないだろ」
「そうでもないよ」
さっきチキンも食べたよ、というリーマスだがシリウスの言う通り
さっきから手をつけているのはほとんどデザート類ばかり
「ちゃんと肉も野菜も食べろよ。何か、今日顔色悪いぞ」
「……」
シリウスの真剣で、どこか心配そうな顔つきにリーマスの動きが一瞬止まった
その会話が聞こえたは「え?」と横目で2人を見た
リリーとジェームズとピーターは食べることに夢中で聞こえなかったようだった
「大丈夫か?」
先ほどより優しい声色でシリウスは話しかける
リーマスは力なく微笑んで「ちょっと食欲がないだけ、大丈夫さ」と言った
「シリウスも肉ばかりじゃだめだよ」
「…わかってる」
気まずい雰囲気もすぐに消え、2人は再び食事に専念し始めた
けれどだけは、シリウスの言葉が気になっていた
「顔色が悪い」
言われてみればそうかもしれない
ちらりとリーマスを見ると、シリウスに注意されてかパイやケーキを食べる手を休め
代わりにサラダなどに手をつけていた
しかし、その様子は食欲旺盛とは程遠いものだった
(リーマス…、大丈夫かな…)
長時間による豪華な食事も終わり、もう食べられないというほどの満腹感を味わう
食事が終わってから少しの時間が経ち、胃が落ち着いてきた頃になると寮の監督生が立ち上がり新入生を寮へ案内し始めた
何人かの上級生も次々と大広間を出て寮に帰っていく
「さて、料理で満たされたことだし部屋に戻って少し余興とするか」
ガタン、とジェームズが立ち上がった
そしてシリウスも立つ
「消化を促すために、チェスでもやるか」
「いいね。シリウス、久々に勝負しないかい?」
「あぁ」
やリーマスたちも誘われたがピーター以外の3人は「もう少し落ち着いてから行く」と言って
その場に残ることになった
それから十数分、他愛ない会話をして過ごす
そして気が付いたら他の生徒はほとんど寮に帰ってしまっていた
「そろそろ、帰りましょう」
「そうだね」
リリーの言葉に頷いて、3人は席を立った
そして大広間の外に出る
「ふぁ…」
久々の学校で、長時間列車に揺られたことにより多少の疲れが襲う
欠伸が出たは片手で口元を覆う
その欠伸がうつったかのよに、リリーも小さな欠伸をした
寮に向かう廊下を歩いていると、3人の背後から声がした
「ミスター・ルーピン」
その声に3人は一斉に振り返る
リーマスを呼んだのはマクゴナガル先生だった
「少しお話があります」
「…はい」
リーマスは、返事をするととリリーの方を向いて苦笑を零し 、「先に戻ってて」と伝えた
2人はゆっくりと頷き、寮へ向かって歩みだす
一方リーマスはきびきびと歩くマクゴナガル先生の後に続いた
「どうしたのかしら、リーマスを呼び出すだなんて」
寮に帰る道のりの途中、リリーが不思議そうな顔をして言った
も「うん」と頷く
「お説教、じゃぁないよね」
「リーマス1人だから、それはないわ」
「じゃあ、…なんだろう」
2人は一生懸命考えるが、寮の自室に戻っても、適切な答えは見つからなかった
リーマスには、先生に呼び出されるようなことなんて何も無いのに、とは考えていた
その晩、はシリウスの言葉とリーマスのことが気になり
はなかなか寝付けなかった
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