ドォォォォンッ!!!!
何か大きな爆発音がホグワーツの城に響いた
丁度図書室で出されていた宿題をしていたリリーとはお互いの顔を見合う
「…またやったわね」
「懲りないんだから…」
手を額にあてて呆れるリリーを見て、は苦労が耐えないなぁと苦笑するしかなかった
Unfinished Heart
“悪戯仕掛け人”と呼ばれる4人組がいた
彼等は入学して1年も経たないうちに、学校で問題を起こし始めた
糞爆弾を爆発させ、やたらとトラップを仕掛け、面白がって呪文を使い、そして捕まる前に逃げ去るという
グリフィンドールの4人組
「上出来だな!」
「見たかいあのフィルチの顔を!あれじゃただでさえ人に見せられない顔なのに、もっと無理があるよ」
「とりあえず二手に分かれよう」
「そ、そうだね…!」
「幸運を祈る」
「ああ」
パァンッと高い位置で手を叩き、そして2人ずつに別れて彼等は駆け出した
「どーして男の子ってああも野蛮なのかしら!」
「野蛮って…せめてやんちゃって言ってあげようよ」
「野蛮よ、野蛮!悪戯ばかりして先生たちを困らせて」
それでいて成績のいいやつらばかりだから余計に腹が立つわね、とリリーは肩を落とした
真面目な彼女にしてみれば問題を起こすことなど言語道断!と言ったところなのだろう
しかしそれが自分たちの友人であるから、ある程度は大目に見るし、時には(不本意だが)協力するし、
何より真剣に叱ることも出来るのだろう、とは思っていた
「でも、飽きないよね。皆と一緒にいると」
「は甘いのよ、まぁそこが貴方のいいところでもあるんだけど」
そんな温かい会話をしながら廊下を曲がると、正面から見覚えのある顔がこちらに走ってきた
「あ、ジェームズとシリウスだ」
「あの様子じゃ、まだ逃走真っ最中ね」
リリーは盛大なため息をつく
向かい側から走ってきたジェームズシリウスは彼女たちの存在に気づき走る脚を止めた
「やぁ、2人とも」
「貴方たちまたなの?今週で何回目よ」
腰に手を当てて、まるで母親のような態度のリリーを見ては笑った
ジェームズは困ったように笑い、シリウスは背後をずっとみている。追っ手を気にしているようだ
「これも楽しみのひとつなんだよ」
「人に迷惑をかける楽しみなんて、あまりいいものじゃなくってよジェームズ」
「君に言われるのならフィルチのどーでもいいお説教よりためになりそうだね」
「まったく…」
この2人のやりとりは何だか面白くて、温かいなぁと暢気なことを考えながら、はシリウスを見た
彼とは未だにまともに接したことが少ない
一緒にいることは多くても2人だけの接点が無いのが事実だった
(…近寄り難いっていうか、寧ろ私が嫌われてるのかなぁ…)
マイナス思考ではないが時折そんな風に考えてしまう
そうするとなんだか非常に寂しいものを感じた
すると急にシリウスが前を向き直り、一瞬ドキッとした
「ジェームズ、急がないと追いつかれるぞ」
「あぁ、そうだったな。管理人さんは脚は遅いくせにねちっこい性格だから」
笑いながらジェームズは頷き、そしてたちにそれじゃぁ、と言ってまたシリウスと逃走を始めた
去り際、はシリウスと目が合ったのだがすぐに逸らされて彼は言ってしまった
「元気よね、ホント」
「…そうだね」
自分は、彼に嫌われてるのかな、という思いが彼女は頭から離れなくなった
「なぁジェームズ、」
「ん?何だい?」
走りながらもシリウスはジェームズに声を掛けた
その表情は眉間にしわを寄せていてまるで怒っているような、そしてその声はどこか落ち込んでいるような感じだ
「俺、絶対に嫌われてるよなぁ」
「…いきなり何の話だい?」
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